誰しも悩みや不安は尽きない。寝る前にイヤなことを思い出して、眠れなくなるなんてことも……。そんなときの助けになるのが、『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』から生まれた小説『精神科医Tomyが教える 心の執着の手放し方』(ダイヤモンド社)だ。ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた、自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉。とても読みやすいオムニバス形式の短編集は、アナタの心が落ち込んだとき、そっと優しい言葉を授けてくれるvoicy「精神科医Tomy きょうのひとこと」“言葉の精神安定剤”で、気分はスッキリ、今日がラクになる!

【精神科医が教える】<br />ああ、やらなければよかった…後悔しない選択をする“たった1つの心理戦”

第一印象の“B面”を大事にする

「第一印象は大事だ」と、よくいわれますよね。第一印象は、一般的には、実際に会って「初対面で相手に抱く印象」のことをいいますが、“会う前の第一印象”もすごく大事だということを最近、実感させられました。

先日、しばらく連絡をとってなかった人から、「久しぶりに会おう」と誘われて、その場のノリで会うことにしたんです。でも、じつはその人とはワケあって連絡をとらないようにしていたのです。「なんで誘ってくるのかな」なんていぶかしく思いつつ、正直なところ連絡があった第一印象で「会うのが面倒だ」と思ったんです。

それでも、会おうといってしまった手前、会うことにしたわけですが、結局のところ、あまり楽しくなく、誘いにのったことを後悔してしまいました。たぶん相手にもその雰囲気が伝わり、なんとなくぎこちない感じになって、すごく疲れてしまったのです。

自分を正当化して失敗するパターン

そこで思ったんです。最初に会うのをちょっと面倒くさいと思った“第一印象の感覚”を大事にしておけばよかった、と。そして、このように最初に抱いた印象を無視することって、意外に多いと気づかされたんですね。

久しぶりに連絡をもらって「いく」といってしまったら、もういくしかないと思ってしまう。なんだかんだと、いったほうがいい理由を後づけで見つけて、自分を誘おうとする。たしかに、会ってみないとわからないこともあるのですが、最初に抱いた「いきたくない」という感覚をなんとか消そうとしてしまうわけですね。

そうやって最初に抱いた印象を忘れてしまうように、どんどん仕向けて、自分を正当化しようとしてしまいます。でも結果として、第一印象をないがしろにして行動しないほうがいいな、とあらためて感じさせられたのです。

“心の第一印象”を肯定してあげる

第一印象というのは、一般的に「見た目」のことを指すことが多いかもしれませんが、このように会う前に抱いた“心の第一印象”を肯定してあげて、優先したほうがいいと思うんです。

心の第一印象を完全に無視してしまうと後悔する可能性が高まる、という視点をもつことも大事だということです。それが自分が納得して行動するための1つの条件にもなるからです。

本稿は『精神科医Tomyが教える 心の執着の手放し方』(ダイヤモンド社)の著者が日々お届けする“心のサプリメント”です。