「この会社に決めよう」
二つの判断基準とは

 内定を獲得したら、その会社に入社するかどうか意思決定をしなければいけない。複数の内定を持っている場合、どの会社にするか迷うこともある。

 その際、二つの判断基準がある。一つは、その会社で自分がやりたい仕事、目指したいキャリアを実現できるかというプラス面から考えるやり方である。もう一つは、気になる点はないか、不安はないかというマイナス面から考えるやり方だ。チャレンジが好きなタイプなら前者、慎重派で失敗したくないタイプなら後者がお勧めだ。

 迷っている会社のOB・OGの話を思い出すのもいいだろう。改めて「この人と一緒に働きたい」と思える会社なら大丈夫だ。

内定獲得の後にも
必要なマナーとは

 なお、学生にとっては複数の内定を持っていると安心だが、後になって内定を断ると、会社は追加採用が必要になったりするので、迷惑をかけることになる。

 これから社会人となる者のマナーとして、相手の立場を考え、行く気がない会社については、できるだけ早く内定辞退の意思を伝える配慮も必要だ。

 担当者に連絡する際の理由は、「並行して選考を受けていた他社から内定をもらった」「希望の職種、希望の業界が変わった」「家族とも相談した結果、辞退したい」「他の進路(公務員、大学院、地元就職、留学など)に進むことにした」など、簡潔で分かりやすいものが望ましい。

 まずは電話で連絡し、なかなかつながらない場合はメールでもいい。「これまでお時間を割いていただき恐縮ですが」「いろいろ悩んだ結果」「心苦しく感じますが」などお礼の一言を添えよう。

 丁寧な「後処理」は、社会人として最低限必要となるマナーだ。就活での取り組みはすべて、その後の自分のキャリアにつながることを意識しておこう。

 繰り返しになるが、就活は長いキャリアの入り口である。学生有利の「売り手市場」ではあるが、入社するのは1社だけだ。自分らしい就活をするには早めに情報収集し、インターンシップをはじめ積極的に動くことが大事だ。