選考突破もスカウトも難しければ
エージェントの力を借りよう

 エージェント型は、中途採用ではメジャーな人材紹介サイトだ。それが最近、新卒採用でも使われ始めた。「キャリアパーク」「ヒトツメ」などがある。

 求人検索型とスカウト型の中間で、企業と学生の間に立つ「キャリアアドバイザー」と呼ばれる第三者のエージェントが、学生に「この企業ならマッチングするかも」と紹介する。また、学生の話を聞いてカウンセリングしてくれたり、実際に応募するときにも「この会社はこういう感じだから、こんなアピールをした方がいい」といった選考突破のアドバイスをしてくれたりする。
 
 エージェント型に登録する企業は、大企業よりも知名度が低く、求人広告だけでは学生が集まりにくい中小企業やベンチャー企業が多い。企業からすると、第三者の手を借りて推してもらい、学生の応募を促すという側面がある。

 そのため、大手企業、有名企業などを狙う学生にはラインアップが合わず、利用するメリットが少ないかもしれない。ただ、求人検索型を使ってもなかなか選考を突破できなかったり、スカウト型に登録してもなかなかスカウトが来なかったりという学生は一定数いる。そういう学生にとって、間にエージェントが入ることで、就活を有利に進められる可能性がある。

「ファクト」に着目すべし
口コミやYouTubeも参考に

 就活サイトを学生が見るときのポイントは、「事実(ファクト)に着目する」ことだ。ファクトとは、平均年齢、平均勤続年数、男女比、報酬水準、年間休日、残業時間、具体的な仕事のエピソードといったものだ。「若手でも活躍できる」「フラットでコミュニケーションがとりやすい」というのは、あくまで企業側の解釈であって、事実かどうか分からない。

 しかも、社風に「若手でも活躍できる」と書いてあるのに、企業情報や口コミに「平均年齢50歳」などと書いてあれば、事実と矛盾する。そうした場合は要注意だ。

 就活サイト以外で、就活の参考になるサイトとしては「OpenWork」「みんなの就職活動日記」など第三者による口コミサイトがある。OpenWorkは社員や元社員、みんなの就職活動日記は実際に就活を受けた人が書いている。

 ただし、話をすべてうのみにするのではなく、あくまで参考情報の一つとして閲覧しよう。口コミの中には、自分の肌に合わず退職した人が、悪意や逆恨みを持って書いたものも混じっている。「ギスギスしている」といった主観的な情報は排除し、給与や仕事内容などのファクトを集めたい。

 他に、就活YouTubeなどもある。模擬面接や企業訪問など、生々しいリアルな情報を発信している。もちろん広告の意味合いが強い番組もあるが、比較的公平なものも多い。模擬面接などは、文字だけだとなかなか雰囲気をつかみづらいが、動画なら一発で分かる。オンライン動画に力を入れているサイトも増えており、一度はチェックしておきたい。

 いずれにせよ、就活サイトなどを使ってファクトの点と点を線でつないでいけば、自分なりにどういう企業かが見えてくる。企業は自社の良いところをアピールしがちなので、本当にそれが事実かどうか見抜く力が必要だ。