おひとりさまの老後には、現役時代には見えにくい落とし穴がある! それも踏まえた、お金&老後対策は必須です。男性の3.5人に1人、女性は5.6人に1人が生涯未婚と、独身者は急増中ですが、税金や社会保険などの制度は結婚して子どもがいる人を中心に設計されており、知らずにいると独身者は損をする可能性も。独身者と家族持ちとでは、本来お金についても老後対策についても「気を付けるべきポイント」が違います。独身者がひとりで楽しく自由に生きていくためにやっておくといい50のことを税理士の板倉京氏が著した「ひとりで楽しく生きるためのお金大全」から、一部を抜粋して紹介します。
投資信託の手数料は3つある
実際に投資信託で積立投資する場合、どんな商品を買えばいいのでしょうか?
銀行や証券会社などに行って、教えてもらおうと考える人もいるかもしれませんが、はっきり言って、それはおすすめできません。
銀行や証券会社がすすめてくるのは、基本「自分の会社が儲かる商品」、つまり手数料が高い商品だからです。
投資信託にかかる手数料は、①販売手数料②運用手数料(信託報酬)③解約手数料の3つがあります。今は③の解約手数料をとる投資信託はほとんどないようですが、購入の際には、念のため確認しておいた方がいいと思います。
投資信託は、プロにお金を運用してもらう仕組みです。プロに運用を頼むわけですから、運用をしてくれる人に手数料を払うことになります。これが「信託報酬」という運用手数料で、お金を預けている間ずっとかかります。この手数料の一部は、販売している会社(銀行や証券会社)にも入るため、金融機関はなるべく手数料の高い商品を売りたいと考えるわけです。
また、対面式の金融機関で投資信託を買うと多くの場合、①の販売手数料もかかりますが、今は「ノーロード」といってかからない商品もたくさんあります。
指数に連動する「インデックスファンド」
手数料のことだけ考えると、安いほうがいいに決まっています。ただ、手数料が高くても、優秀なプロが運用して手数料以上の高い利益を出す投資信託があれば、手数料度外視で購入するというのも1つの手ではあります。こういった投資信託を「アクティブファンド」といいますが、どれがいい投資信託なのか、初心者にはなかなか分かりませんよね。
そこで、投資初心者におすすめするのは「インデックスファンド」です。インデックスとは「指数」のこと。日本の代表的な上場企業225社の株価から構成されている「日経平均」や米国の代表的な上場企業500社の株価から算出される「S&P500」などの指数と連動している投資信託が「インデックスファンド」です。
手数料が安いというメリットはもちろんですが、インデックスファンドを超える利益を出せるアクティブファンドは、全商品中10~30%程度しかないといわれています。
ですから、投資初心者の資産運用は、まず「インデックスファンド」の積立投資で決まりです。
おすすめの証券会社は、楽天証券・SBI証券・マネックス証券などのネット系。ポイントの付与や使い勝手などを比較して、お好みの証券会社に口座を開設し、早速スタートしてみてください。繰り返しになりますが、積立投資は長く時間をかけたほうが効果が期待できます。いますぐスタート! がベストです。
*本記事は、独身者向けのお金&老後対策を書いた、板倉京著「ひとりで楽しく生きるためのお金大全」から、抜粋・編集して構成しています。