「お金をこれだけ大量に供給すれば
当然その価値は下がり、インフレが来る」
お金をばらまくことによって、金利がどんどん下がり、株価は上がりと、居心地のいい状態が続いてきた。それが逆回転を始めようとしているのです。
──供給が過剰になれば、当然、その価値が下がるものだと。
お金を大量に供給すれば、お金の価値はどんどん下がっていく。お金の価値が下がれば、モノの値段は上がる。インフレが来る。そうしたごく当たり前のことが、ここへ来てようやく実感を伴ってきました。
コストプッシュによるインフレに皆目が行くけれども、根っこにはお金のばらまきによる価値下落があります。
国際金融協会というところが政府、金融機関、企業、個人を含めた世界の債務残を発表しています。これが今、世界経済のGDP(国内総生産)の3.5倍強。10年前は2.5倍でしたから、先進国が金融緩和競争を演じたこの10年で、地球1個分のGDPに相当する債務が膨らんでいることになります。
今や先進国のほとんどがゼロ金利を脱し、金利が上がってくる中で、ゼロ金利下でも利回りを稼げるよう作られた金融商品がガタガタになるでしょう。