「やると決めたら実行する人で、簡単には諦めない。それがイーロン・マスクの世界であって、その世界に暮らすのが私たちなの」

 マスクが掲げるビジョンはあまりに壮大過ぎて理解しづらいところがあるし、はたしてマスクが生きているうちに達成できるかどうか、わからないものもある。にもかかわらず、マスクがそうしたビジョンを堂々と口にして、実現に向けて挑戦し続けることができるのは、「失敗は成功に欠かせないものとして失敗を引き受ける」ことができるから。そして、「失敗から学びながら進み続ける粘り強さ」を持っているからだ。

ツイッターでたびたび炎上

 今の時代、「鋼のメンタル」が求められるのは会社の経営だけではない。ごく普通の人でさえ、何かのきっかけで「炎上騒動」に巻き込まれ、「誹謗中傷」にさらされてしまう。

 マスクといえば、最近日本でも大きな話題となったが、ツイッター社の買収の件だ。

 2022年4月、マスクはツイッター社の買収を提案、一度は合意に達した。しかし同年7月、ツイッター側に「重大な違反」があり「虚偽かつ誤解を招く」発言があったため、買収を断念した(※編集部注 紆余曲折の末、最終的には22年10月に買収した)。

 さて、マスクは、ツイッターのヘビーユーザーであり、フォロワー数は約8700万人もいる。これだけ人数がいると、発言一つにも気を遣いそうなものだが、マスクはしばしばツイッターで炎上騒ぎを起こす。それが、テスラの株価にも多大な影響を与えるのだ。炎上騒ぎのほとんどは、テスラやスペースXの広報が正式発表をする前に、マスクがツイッターで発信をして、平気でそれを取り消すといった行動を繰り返していることに端を発している。

 そのことが「はたしてマスクにCEOを任せていいものか?」という株主からの懸念につながっている。が、そもそもテスラやスペースXという野心的な企業を経営できる人間がマスク以外にいるのかとなると、やはりいないだろう。