続いては、部下の提案に「とりあえず預かっておくよ」と返事をしながら放置してしまう、”独断パイプ詰まり型”上司。

 たまたま出席した外部のセミナーで、顧客に役立ちそうな新しいシステムの話を聞いた。

 少し調整は必要になりそうだが、部全体で取り組んでみれば、やれないこともなさそう。まずは課長に相談した。

 課長は「うん。わかった。とりあえず資料を預かっておくよ」と言ってくれたものの、その後はなしのつぶて。

 どうなったか気になって課長に聞いてみると、「ああ、あれね。話としては悪くないと感じているんだけど。今は予算がないことは君も知っているよね。内容的にも、まだちょっと時期尚早な気もするし、上には、もう少しタイミングを見て話をしたほうがいいような気がするんだ」と言われ、結局そのままうやむやになってしまう。

 もっと上と直接話ができたら通っていたかもしれない案件に、部下は悔しい思いをする。組織で仕事をしていると、そんな歯がゆい思いをすることがあるでしょう。慎重すぎたり、自分の判断が一番正しいと信じて勝手に情報を止めてしまったり。

 そんな上司の態度にうんざりして、新しいことを考えなくなったり、やる気を失っていくメンバーもいるのです。

「ライオンが率いるライオンの群れ」をめざす

 変化の激しい時代だからこそ、組織として現場で起きていることをしっかり把握し、変化を恐れず常に挑戦し続けることが重要です。そのために、中間管理職が果たす役割は、メンバーのマネジメントだけでなく、自らの上司を動かして会社を変えることでもあります。それが滞れば、会社を潰すことも十分あり得るのです。

 昔のことわざに、「ライオンが率いる羊の群れは、羊が率いるライオンの群れを負かす(An army of sheep led by a lion would defeat an army of lions led by a sheep.)」というものがあります。たとえ平凡な人の集まりであっても、強いリーダーの下でチームワークがとれていれば、優秀な者が集まっていながら、うまくマネジメントできずに混乱している集団を打ち負かすことができるというたとえです。

 しかし、この変化の激しい時代に、羊を率いているライオンがいなくなったとき、その組織はやっていけるのでしょうか。リーダーがライオンであることはもちろんですが、次なるライオンを育てるためにも、めざすべきは、「ライオンが率いるライオンの群れ」ではないでしょうか。

 リーダーシップ論の1つとして、「サーバント・リーダーシップ」という考え方があります。サーバントとは、「使用人」を意味します。つまり、執事のように、組織に対しても部下に対しても、奉仕の精神で支えることで、リーダーシップを発揮するというものです。

 自分が一番詳しい、自分が一番できる、あるいはそうあらねばならない。そんな考えを捨て、自分よりも優秀な人を育て、力を発揮させ、組織の成果へと導く。そんな発想に切り替えることが大切です。

 優秀なメンバーには一目置いて、メンバーに教えてもらうくらいの気持ちで接していく。信頼して頼る。そして、自分も含めた「チーム」をつくっていくのです。そのように発想を変えると、自分自身が楽になるのはもちろん、メンバーのモチベーションもアップします。