じつは自律神経の調査でも「木曜日に一番数値が悪くなる」との結果が出ています。多くの人が月~金で仕事をしているため、水曜日くらいまでは何とかがんばれるのですが、木曜日になると肉体的にも精神的にもコンディションが落ちてくる。

 それが金曜日になると「明日から週末だ!」「今日で終わり」という感じで再び気分が盛り上がってくるわけです。

 そんなサイクルから考えても「木曜日をリセットデーにする」のは理にかなった方法といえます。

 ちなみに、私は木曜日にマンガ雑誌の『ヤングジャンプ』を読むことがリセットの習慣になっています。特に「キングダム」が大好きで毎週楽しみに読んでいます。

 決まった曜日にマンガやテレビドラマを楽しみにしている人は多いと思いますが、それを「ただの習慣」と捉えるのではなく、一週間の「リセットデー」と位置づけて意識的に「一週間の区切り」を入れる。

 それだけで日々の生活にリズムが出てきます

帰宅したら着替える前に
どこか一カ所片づける

書影『リセットの習慣』(日経BP)『リセットの習慣』(日経BP)
小林弘幸 著

 身の回りを片づけることが自律神経を整えるのに有効であることはこれまで何百回となく発信し続けてきました。

 すると「私はなかなか片づける習慣が身につけられないのですが、いい方法はありませんか」とよく聞かれます。

 たしかに、何かのついでにササッと片づけられる人となかなかできない人はいるでしょう。

 後者の人にぜひ試してみてもらいたいのは「着替える前に片づける」方法。

 会社を出て家に着いたら、たいていの人は荷物を下ろし、着替えをします。リラックスできる部屋着に着替えてゆったりとくつろいだり、食事の用意をしたりするわけです。

 その流れを変えて、家に着いたら着替える前に一カ所でもいいので、まず片づけをします。クローゼットから捨てる服を選んでまとめるでもいいですし、本棚に入っていない本が散らばっているなら、それを本棚に戻す作業でも構いません。

 ゴミがいっぱいになっているなら、ゴミ袋に入れて、そのままゴミ捨て場に持っていけるようにしておくのもいいでしょう。

 とにかく「家に着く→着替える→リラックスする」の流れに乗ってしまったら、片づけのタイミングは来ないと思ってください。

 だからこそ「家に着く→どこか一カ所片づける→着替える→リラックスする」の流れに変えてみるのです。

 スーツなどの外出着を着ているうちは「外出モード」。その「外出モード」のまま片づけまでセットにしてしまうのです。

 私はこの習慣を8年ほど続けていますが、案外悪くないものです。外出モードの勢いがあると、それほど苦もなく片づけができます。

執筆・監修/小林弘幸
1960年埼玉県生まれ。順天堂大学大学院医学研究科修了後、ロンドン大学付属英国王立小児病院外科、トリニティ大学付属医学研究センター、アイルランド国立小児病院外科での勤務を経て、順天堂大学小児外科講師・助教授を歴任。自律神経研究の第一人者としてプロスポーツ選手、アーティスト、文化人へのコンディショニング、パフォーマンス向上指導に携わる。