もっと些細なことでいうと、たとえばカフェで友だちとお茶を飲みながらおしゃべりしている場面。こんな当たり前の風景でも「コロナ禍前」と「コロナ禍後」では微妙な変化が生じています。イメージでいうなら、以前は水色のような明るいトーンだったのが、コロナ禍を経て、少し暗い紺色の風景になっているような感覚です。

 同じ行為や同じ場面でも、私たちをとりまくトーンは少し暗く、くすんだ感じになっているのです。

 こうした「知らず知らずのうちに起こっている変化」によっても自律神経は乱れていきます。疲れが抜けない、ダラダラ過ごす時間が増えた、睡眠の質が落ちているなどちょっとした不調が続いている人も多いはずです。血流が悪くなることで、肩や腰が痛くなったり、頭痛を覚える人の話もたくさん耳にします。

 こんなふうに「知らず知らずのうちに乱れてしまっている生活」をリセットするのに効果的なのが「新しい朝の習慣」をひとつ加えることです。

 朝、30分の散歩をするのは最高ですし、そこまで時間がとれない人はベランダに出て5分ストレッチするだけでも構いません。これまであまりしっかり朝食を食べていなかった人なら、自分でトーストを焼き、丁寧にコーヒーを淹れる。そんな習慣をプラスするのもいいでしょう。

 もっと簡単に、音楽を聴きながら意識的に深呼吸をするだけでもOK。

 大事なのはなんとなく「流れのままに一日を始める」のではなく、意図的に「いい流れを生み出す」ことです。

木曜日を
「リセットデー」にする

 一週間のうち一日を「リセットデー」と決める。

 これもおすすめの習慣のひとつです。「リセットデー」だからといって大げさなことをするわけではなく、少しだけ特別なランチを食べる、仕事を早く切り上げてお気に入りのカフェでお茶を飲む。そんな習慣で十分です。

「リセットデー」を何曜日にするかは自由ですが、私は外科で仕事をしていた頃の習慣で、昔から木曜日を「リセットデー」と決めています。

 そのとき外科では大きな手術は月曜日と水曜日に入れることが決まっていました。特に大きな手術は水曜日に行われます。朝から始まって夜まで(場合によっては翌日まで)かかる手術もありました。

 それを終えた木曜日が私にとっての「リセットデー」。