3人の子どもに教育費がかかりすぎ、
老後が不安
「教育費にお金をつぎ込みすぎ、老後が不安でたまらない」というパート主婦のFさん(55)は、会社員の夫(57)と共に家計相談に来られました。お子さんは、長男が社会人、次男が大学3年生、長女が高校3年生。長男次男は有名私立大学に通い、長女もそこに入学するため受験勉強中です。
子どもたちがこの大学に入学することを目標にした暮らし方をしていたので、貯金はあまりできていませんでした。塾代を惜しみなくつぎ込み、学費も払い……。大学の学費がかかる期間の終わりがなんとなく見えてきた今、改めてご夫婦の資産状況を確認してみると、老後資金がありません。さらに、今後の教育費のための蓄えや貯金そのものもほとんどありません。次男の残り1年の学費や、長女のこれからの学費など、この5年以内に必要な教育費の準備も難しいからと、すでに夫の会社の社内貸付制度を利用していました。
社内貸付制度を利用すると、毎月の給与から天引きで返済し、定年時までに完済できなければ、退職金と相殺されるしくみだそうです。毎月夫の給与から返済はしていますが、授業料の支払いがある4月、9月には貸付を受けないと学費が払えないため、完済は難しそうです。今のままでは退職金で相殺する形になるだろうと思われ、老後資金としてあてにできるお金が、ますます少なくなる見込みです。
奨学金の検討、支出削減など
取れる手はあるはずだが……
このような状態ですが、子どもには奨学金の利用を相談せず、親がお金を借りてでも学費を払うという姿勢。それならば支出を削減し、少しでも学費にお金を充てればいいのですが、支出はメタボ状態のままです。
夫の毎月の手取りは、天引き返済分が減っており約32万円。妻はパート代の8万円少々です。世帯の手取り月収は約40万円ということになりますが、毎月5万円ほどの赤字が慢性化。そしてその赤字をボーナスで補てんするので、ボーナスも思うように残りません。
さらに、住宅ローンも70歳まで残っている状況。無理のある教育費の使い方と、支出削減を努力して来なかったため、家計はもう行き詰まる寸前です。