拡大画像表示
「幹にこだわる」思考法とは
この「幹にこだわる」思考法について、山本さんは身近な「海外旅行」を例に解説します。
--------------------
海外旅行に行きたくなったときには、何から計画を立てますか?大半の方は、おそらく先に「どういった場所に行きたいのか」から考えるはずです。そしてそれは、自分自身の強い欲求に基づいて決められているはずです。例えば、「暖かくてきれいな浜辺でオーシャンリゾート気分を満喫したい」という欲求があるならば、その類のキーワードを、ネットなどで検索して調べると思います。検索で調べたものこそが、この場合の海外旅行において、あなたが考えている「幹」になります。
--------------------
そして、検索の結果、「ハワイ」「バリ島」「セブ島」などを並べて一次比較し、仮に「セブ島に行ってみたい」という気分になったとします。この「セブ島に行ってみたい」は、「暖かくてきれいな浜辺でオーシャンリゾート気分を満喫したい」という欲求=「幹」に対する「枝」に当たります。
その「枝」が決まった後に、セブ島に行くための航空機を予約したり、宿泊先の手配をしたりします。そうした交通手段や宿泊先を決める行為は、欲求という「幹」に対して「枝の枝」に相当します。
さらに、泊まりたいホテルで「朝食付き」を選ぶ、「オーシャンビューの部屋」を選ぶ……といった具合に、より細かいプランを決めていくことになるでしょう。これは「枝の枝の枝」に当たります。ここまでは、読者の皆さんも経験のある、ごく普通の旅行プランの手順です。「幹」から出発して「枝」「枝の枝」「枝の枝の枝」……というツリー構造が頭に描きやすいのではないでしょうか。
この例に当てはめて考えると、「朝食付き オーシャンビューの部屋」という「枝の枝の枝」から真っ先に検索し始める人は、よほどのことがない限りいないはずです。これでは「極寒の海に面した浜辺の見えない部屋」も検索にヒットしてしまいます。そしてこの検索をした場合、「暖かくてきれいな浜辺でオーシャンリゾート気分を満喫したい」という自分の根本的な欲求である「幹」の部分に対して、芯をくった情報が出てくる確率は低くなることは容易に想像できるでしょう。