就活生が最も欲しい支援とは?「実は保護者との対話を嫌がっていない」実は就活において、子どもは保護者のアドバイスを嫌がっていない(写真はイメージです) Photo:PIXTA

2024卒の就活がいよいよ本格化する。企業や大学で数々の講演を行う就活情報のエキスパート、リクルート就職みらい研究所所長の栗田貴祥氏が就活の最前線について語る本連載。今回は、保護者世代がどのように子どもの就活を見守りサポートすべきかについて、解説する。保護者が子どもの就活に関してやっていいこと、やってはいけないこととは何か。

子どもの個性を尊重している?
調査でわかった保護者への本音

 子どもに対する保護者の就活支援はどのようにあるべきか。各家庭や子どもとの関係性によっても違うので大変難しい問題ですが、いくつかヒントをお話したいと思います。

 リクルート就職みらい研究所が就活生に行ったアンケート調査の結果を見ると、保護者との関わりでよかったこととして、「個性を尊重し、自分の活動を肯定してくれた」が1位、「物的支援をしてくれた」が2位、「普段と同じ態度で見守り役、聞き役に徹してくれた」が3位、「食事面、生活面の援助」が僅差で4位でした。フリーアンサーでも「励まし、癒やし、心の支え」となってくれたと言う声が多く聞かれました。励まし、支え、個性を尊重、普段と同じ態度という寄り添い方を、子どもは欲しているのです。
 
 ここで、ちょっと意外とも思えるデータを紹介します。就活において、保護者との関わりで「嫌だったこと」を尋ねたところ、「特にない」と答えた学生が65.5%にものぼっているのです。

「深入りしないほうがいいのでは」と思われる保護者の方も多いかと思いますが、実は、子どものプレッシャーにならない程度のコミュニケーションなら、遠慮せずにもっととってもよいと考えられます。

 事実、連載第1回でも、コロナ禍で学生が卒業後の進路を選ぶ際の参考として最も影響を受けたものに、「親の影響」を一番に挙げた人が最も多かったことをお伝えしました。ただし、もちろん「保護者のイメージや主観のゴリ押し」「キャリア観のずれ」「今どきをわかっていない」ことが嫌だったという回答もありました。内定した企業について保護者が知らない会社だからと反対したり、キャリアアップのための転職について否定的に捉えていたり、オンライン就活で家にいることを活動していないと誤解したりする、などはNGです。