2024卒の就活がいよいよ本格化する。企業や大学で数々の講演を行う就活情報のエキスパート、リクルート就職みらい研究所所長の栗田貴祥氏が、就活の最前線を語る連載の第2回。保護者に向けての心構えと、保護者世代と子世代の就活で大きく変化したトレンドや環境変化について解説する。
正式な就活スケジュールと
実際のスケジュールの違い
保護者世代と子世代で、就活はどのように変わったのでしょうか。今回は、現在の就活の状況や、過去の就活との違いについて、保護者の皆さんにわかりやすくお話していきます。
まずは、就活の進み方・進め方の違いについてお話しましょう。
1つは就活のスケジュールです。過去より新卒採用では、選考や内定の開始時期のガイドラインが存在しています。2021年卒までは経団連が主導していましたが、現在は政府主導で実質的な就活スケジュールが決められています。
大学3年生の6月あたりから、学生は企業が実施する就業体験の場である夏のインターンシップなどのプログラムへの応募を準備し、企業説明会の動画などを見て、活動準備し始めるのが一般的です。
2017年以降3年生の3月1日が、「採用情報の広報解禁」日で、ここから就活が本格化します。この日以降、企業は学生にアプローチすることが認められているため、学生からの応募の受け付けを始めます。
4年生の6月1日が「選考解禁」日で、企業はこの日から選考開始と要請しています。ただし、それ以前から内定を出したり、「面談」という名で実質的な面接を進め、6月1日より最終面接という形で学生にアプローチし、「内々定」を出したりする企業も存在します
そして、4年生の10月1日以降が内定の正式な解禁日です。多くの企業ではこの時期に「内定式」を行います。ただし実際には、選考解禁の6月頃には内定率は70%に達しています。つまり、学生は早い人だと夏のインターンシップなどのプログラムに参加する3年生の6月頃から、実質的な内定を獲得する4年生の6月頃まで、1年以上を就職活動に費やすことになります。以上が大まかな就活スケジュールです。