市民団体の補助金も
厳格に調査
労働組合に次いで資金源の調査が行われるのが市民団体であろう。韓国大統領室は、昨年12月28日、市民団体など民間に支援した国庫補助金を全数調査すると発表した。その補助金を最も多く受けたのが女性家族部であり、元慰安婦関連団体にも厳格な調査が及ぶであろう。
朝鮮日報は、「文在寅(ムン・ジェイン)政権下で市民団体に支給された補助金が毎年平均4000億ウォン(約414億円)ずつ増え、今は5兆ウォン(約5180億円)を超えている。その多くが不透明、不適切に支給されていると判断しており、これまでに摘発されただけでも不正受給は2300億ウォン(約238億円)に達している」と報じている。
さらに「政府補助金以外に全国17の地方自治体が支出した補助金の規模はさらに上回る」「しかし、どの団体がどんな目的で使ったか管理されていない」という。10億ウォン(約1億円)以下の補助金は会計監査が免除される補助金法も見直す予定という。
正義記憶連帯(正義連、挺身隊問題対策協議会が改称)などの市民団体の横暴は、不正行為が見過ごされてきたために起きたとの見方が出ている。中央政府が多くの補助金を交付していたにもかかわらず、それが適切に使用されているかどうかさえ管理していなかった。「市民団体を追及することは国民の反発を受けかねない」というポピュリズム的な心情も影響を及ぼしていた。しかし、尹錫悦政権はこうしたことに厳格に対応しようとしている。
市民団体への厳格な取り締まりは
日韓関係の改善に不可欠
正義連や民主労総など全国610余りの市民団体の連帯である韓日歴史正義平和行動は22日、ソウルの中心部にある外交部庁舎前で記者会見を開き、「政府は屈辱的な対日外交を直ちに中断せよ」と主張した。
同行動は、22日から3.1独立運動記念日まで、3100人が参加する1人デモを推進し、3月1日午後2時には、ソウル市長前広場で汎市民大会を開く。同行動は日本側の謝罪と被告企業の直接賠償への参加を要求している。
同行動は、政府の徴用工問題解決案に最後まで立ちはだかり、解決案が確定した後も、その内容に満足しない限り、反対し続けるであろう。元徴用工の中に韓国側が用意するおカネを受け取りたいとする人々がいても、彼らの意志は無視し続けるであろう。