W杯で活躍したゴールキーパーの権田修一選手へのインタビューをもとにした下記の記事によれば、
権田修一 W杯での突然の5バック変更に選手も困惑?「最初は“これどうする?”が凄く多かった」 2023年01月12日 スポニチ
ドイツ、スペインという強豪国との対戦で、日本はディフェンスを4バックから5バックに変更した。元サッカー日本代表の内田篤人氏から、調節は難しくなかったかと問われた権田選手は、守りは5人に増えたことで、各自の守備範囲が狭くなり、横のスペースのカバーはしやすくなったと答えたあと、攻めに関して
「『前の人数が減ってしまうので、プレッシャーに行く時にどう出るのかというのはみんなで最初は“これどうする?”が凄く多かったんですよ』」
選手たちも困惑することがあったと話す。しかし、選手同士でコミュニケーションを取り合ってプレーしていたと言う。さらには、1次リーグの初戦だったドイツ戦では、前半はこれまでの試合と同様に4バックで挑んだものの、ドイツの攻撃をうまく食い止められなかったことから、後半は5バックに変更したのだが、5バックの準備をほとんどしないままでプレーしていたとさえ発言しているのである。
上記の記事では「『(長友選手から交代した三笘選手は)前でプレーできる個性を持っている選手なので、その時は酒井選手が下がって実質4枚みたいになってました。酒井選手が伊東選手と代わるとどっちも高い位置からいくんですけど、まずは守る状況だったのでスタート位置は下がったところからというのは話し合ってました』と選手間での裏話を語った」と結ばれている。
途中で予定外のことが起こり、対応を変更する可能性を考えて、あらかじめ、どう対応するかを考えておくことをコンティンジェンシープランという。そしてこれはプランだけでなく、事前にその発動を考慮して十分に試す準備を含む。
ドイツ戦の5バックへの変更は、十分に想定されたことで、プランを練り、準備したうえで実施されたと思っていたが、権田選手の話を読んでビックリ仰天である。
もし、練習なしのぶっつけ本番で実行したのであれば、単なる“無謀”であり、これが上場企業の経営者であれば、この事象ひとつで十分に失格の烙印(らくいん)を押される大事件である。