真の惨敗理由は「重大な公約違反」
的はずれな民主党の衆院選敗因分析

 海江田万里代表を本部長とする民主党の改革創生本部は、衆院選の大敗を総括し、党改革の原案をまとめた。

 そこで民主党は、鳩山由紀夫、菅直人、野田佳彦3首相の責任を「トップによる失敗の連鎖」と厳しく指摘している。

 鳩山氏の米軍普天間移設問題での迷走は当然としても、党が指摘した、菅氏の「突然の消費増税発言」や野田氏の「解散時期を見誤った」とする失敗は本当の敗因を覆い隠すものではないか。

 なぜなら、民主党による昨年の消費増税を基本的には正当化しているからである。

 総選挙の惨敗は、あくまでも民主党の歴史的な重大公約違反によることは明らかだ。

 重大公約の1つは、消費税増税の前に官のリストラ(無駄遣いの根絶)を断行すること。もう1つは消費税増税を在任期間中には決めないこと。それは当時の最高責任者である鳩山代表がはっきりと証言している。

 この2つの公約違反が民主党の大敗を招いたのであり、単に「突然の発言」や「解散時期を見誤った」からではない。

 結局、増税反対派を締め出し、賛成派が残ったから、こんな的はずれな総括をしたのだろう。

 この総括ではとても民主党を離れた支持者は戻ってこない。