ESや筆記試験で成功する人と失敗する人の決定的な差ESや筆記試験に「王道」はあるのだろうか(写真はイメージです) Photo:PIXTA

2024年卒の就活が本格的に始まった。コロナネイティブの学生が抱く不安は大きい。しかし、焦ってはいけない。ESや筆記試験では、ありのままの自分、ありのままの実力を見せることが、内定獲得への一番の近道となる。人気企業の採用から育成までを支援するダイヤモンド・ヒューマンリソースの採用コンサルタント・福重敦士氏が解説する。

筆記試験は
一つの材料にすぎない

 昨年、就職試験で「替え玉」受験があったことが露見したという報道がありました。「本当にそんなことが行われているのか」「きちんと試験対策をしている人たちにとって不公平ではないか」と驚き、憤慨した就活生は多いのではないでしょうか。

 これを機に、就活においてES(エントリーシート)や筆記試験はどんな位置付けで行われているのか、就活生はそれらにどんな考え方で臨めばいいのかについて、お話したいと思います。

 まず、企業の採用選考における筆記試験はオンライン化が進んでおり、「Webテスト」と呼ばれ自宅からPC経由で受検することがほとんどです。

 こうした状況なので、企業側も「替え玉受験」のような不正が起こり得ることを念頭に置いて、就職試験を実施しています。そもそも筆記試験の点数だけを、いわゆる応募者の足切りのような形で使おうと絶対視しているわけではありません。ESの内容や面接の総合評価で採用は決まります。逆に言えば、どんなに立派なESであろうと、筆記試験の成績が満点であろうと、面接で見た学生の人となりと併せて吟味し、どこか違和感があればその時点でストップをかけるのです。

 よって、筆記試験が通過したからといって採用に近づいたとは言い切れません。筆記試験はあくまで指標の一つに過ぎず、それだけで内定が出るものではありません。仮に筆記試験で不正を行い最終面接まで進めたとしても、どこかでボロが出ます。替え玉受験で途中まで進むほうが、時間の無駄使い、今風にいえば「タイパ」が悪いと言えないでしょうか。結局は、今の自分の実力で堂々と臨むほうがいいのです。