ダークウェブで
やりとりされる危険な情報

 これまで解説してきた犯罪集団が収集し、作り上げてきた情報が、闇サイトで売買されているのは、報道などを通じてご存じだろう。

 闇サイトには皆さんが想像するような一部掲示板などのアクセスしやすいサイトが多数存在する。だが、一般にアクセスが難しいといわれるダークウェブでは、その内容を見たことのない方からすれば、非常に恐ろしい危険な情報がやりとりされている。

 例えば、筆者が目視できたものだけでも「日本人のパスポート情報(顔写真のページ見開き、氏名・生年月日等記載)」「日本企業の社員のメールアドレス」などに加え、日本政府が使用した膨大なメールアドレスも、現在使用されているものかは判別がつかなかったが、売買されていた。その他、闇名簿と思しき情報のサンプルを見せ売買するような集団も存在した。

 これらの情報の収集や売買は、サイバー攻撃にも通じるものがある。サイバー攻撃では企業の脆弱(ぜいじゃく)性につながる情報を収集し、売る集団がいる。

 それと同様に、特殊詐欺や強盗を行うために、情報をふんだんに含む闇名簿を作成し、売る集団が存在する。ここではっきりと分かるのは、犯罪集団にとって、情報は非常に価値があるものということだ。

犯罪集団が通信手段として
使った「テレグラム」とは

 さて、広域連続強盗事件で脚光を浴びた通信手段として、通信アプリ「テレグラム」(写真)がある。

写真:通信アプリ「テレグラム」上記画面の赤い矢印の下に「氷(アイス)」と「ブロッコリー(野菜)」の絵文字がある。これらは薬物の隠語である。(場所の特定を避けるため、画面の一部を加工してあります) 拡大画像表示

 その情報通信の秘匿性もさることながら、恐ろしいのはコミュニティ(Group)機能である。

 テレグラムにおいては、近くにテレグラムを使用する人物が表示されるほか、Groupという形で不法行為を想像させるコミュニティが複数存在し、自由に参加し、Group内メンバーにコンタクトが取れる。

 このように、テレグラム開発元の意図にかかわらず、犯罪を助長してしまう機能が付いている。犯罪は、こんなにも身近に存在するのだ。