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内定者から辞退される、一度購入すると決めたものをキャンセルされる……ビジネスにおいて、一度合意に至った件を「やっぱりやめた」と心変わりされるのは非常につらいものです。心変わりを防ぐためのとっておきのテクニックを、書籍『頭のいい人の対人関係 誰とでも対等な関係を築く交渉術』の著者が、そのテクニックを紹介します。(教育コンテンツプロデューサー/株式会社士教育代表取締役 犬塚壮志)

いったん合意したことを覆されると、受け手のダメージは大きい

 あなたは、互いに話し合って合意したことを、あとから覆されて悔しい思いをしたことはありませんか? 上司と会議で議論していったん取り決めたことなのに、どこかから横やりが入ったのか「やっぱり、あれ、やめようか。もう少し様子を見よう」などと言われ、怒りを通り越して呆れてしまった……というような経験です。

 あるいは、あなたが自社の新規採用担当者だったとしましょう。内定を出したあと、最も気を配るべきことは、内定者からの辞退を避けることです。これは企業の人事の方から直接聞いた話ですが、社員ひとりを採用するには数百万円のコストがかかっています。コスト面だけでなく、社員数の担保や配属先の調整にも大きな影響が出てしまいます。そのため、採用担当者は内定を出した後、その内定者の辞退をいかに防ぐかに注力します。にもかかわらず、内定を出した後に心変わりして辞退されてしまうと、大打撃です。

 同じように、商品の購入後の返品、サービスやイベントの申し込み後のキャンセルなど、合意後の心変わりというのは、売り手側からすると落胆させられますよね。だからこそ、一度合意に至ったあとも油断ぜず、その合意を取り下げられないような工夫が必要です。

 実際、ビジネス上の心変わりには、私も何度も苦い経験をしてきました。