主体性のある人の特徴

 主体性のある人の特徴をまとめると、こんな感じになります。

・ 行動力がある
・ 好奇心が旺盛
・ 積極的
・ 思考力がある
・ 自分の意見を持っている
・ 何もないときでもやることを探す、見つける
・ 「やりなさい」と言われていないことでも、やりたいからやる
・ 自分で考えて選んだ、実行した行動の結果に責任を持てる
・ ミスや失敗が発生したときに、言い訳や罪悪感より真っ先に問題解決しようとする

 また、自分の意見や、それを持つための思考力を持っていることも特徴として挙げられます。みなさんは、前回、自分の意見を持つこと、自分で決めることを身につけました。ですから、この「主体性」を身につける準備は十分にできています。

 そして何より主体性のある人は、自分で考えて選んだ行動の結果に責任を持ちます。だからこそ、うまくいかないことがあったとき、責任転嫁や言い訳をするのではなく、「どうやったら解決できるか」を考えます。だってそれは、自分にとって本当に意味のあることなのですから。

 こうして、うまくいかなくても自分を立て直して行動するので、やり抜く確率が上がります。

 以上のことを一言でまとめると、主体性のある人は「好奇心旺盛で、自分でやることを見出し、その行動に責任を持つ人」といえるのではないでしょうか。そして、やり抜く力がある。

 だからこそ、「主体性」はどんなときも道を切り拓く自分をつくるために欠かせない非認知能力なのです。

主体性を育むために必要な内的モチベーション

 主体性を育むうえで必要になるのがモチベーション(なぜやるのかという理由)です。モチベーションには、外的と内的の2つがあります。

 外的モチベーションとは、ご褒美・地位・評価・給与や叱責など、外から与えられることに起因するもの。内的モチベーションとは、「やりたい!」と自分の内側から湧き出るものです。

 主体性を育むためには、外的と内的、どちらのモチベーションが有効なのか? これには有名なデシ博士の研究(ソマパズルの研究※)があります。

 この研究からは、「内的動機づけ」という自分で自分をモチベートする力は、主体性を発揮するうえで欠かせないものだということがわかっています。

※「アンダーマイニング効果」を証明したソマパズルの研究

外的モチベーションは内的モチベーションを下げるということ(アンダーマイニング効果)を証明したエドワード・デシ博士の研究があります。大学生を2つのグループに分けます。1つのグループは、パズルを解いたら1ドルのご褒美があります。もう1つのグループは、解いてもご褒美はありません。

さあ、休憩時間にも自主的にパズルをやったのはどちらのグループでしょうか?

それは、報酬が0だったグループでした。面白さや楽しさが「解きたい」という内的動機づけになったからです。逆に、報酬があることで「報酬を得る」ことが動機となってしまい、本来のパズルを解く「楽しさ」という内的動機づけに悪影響を及ぼし、弱めてしまいました(アンダーマイニング効果)。

よって、デシ博士は「なぜやるのか」という動機が内的の場合、そのモチベーションは長続きし、主体性を発揮する場合には不可欠としています。