実用性の高さも特筆レベル。グランドツーリングに連れ出す場合に、前後に想像以上の容量を備えたラゲッジスペースを備える点は見逃せない。
ケイマン/ボクスターGTS4.0は、
「乗って、走って、楽しいクルマ」の最右翼
2シーターのミッドシップと聞くと、“実用性を犠牲にしたうえに成り立っているレイアウト”と早合点されがちだが、ケイマン/ボクスターは例外。各種メンテナンスをリフトで持ち上げて車両下側から行う方式にした関係で、シート背後に搭載するエンジン部分は完全に“封印”されている。
これによって、フロントフード下にミドルサイズのスーツケースが収納できる深いスペースが確保できた。そしてケイマンの場合にはリアのハッチゲート下、ボクスターはボディ後方に独立したトランクルームが用意されている。“2シーターモデルの中で最大容量”と紹介できるラゲッジスペースを生み出した手腕には驚かされる。リアルスポーツながら、ファーストカーとして使える実用性を備えている。
ケイマン/ボクスターGTS4.0は、まさに「乗って、走って、楽しいクルマ」の最右翼。この味わいが現行型で失われてしまうのは何とも残念である。
(CAR and DRIVER編集部 報告/河村康彦 写真/小久保昭彦)