「嫌な人」を前もって避けることはできないけれど、これ以上嫌がらせをされないように対策を練り、自分を守ることはできるということです。

 では、具体的にどうすればいいのでしょうか?

 まずは、「職場の嫌な人」の分析から始めましょう。相手をよく知ることが「職場の嫌な人」から自分を守るための第一歩です。

 全体像がわからない時は、相手がとてつもなく大きなモンスターに思えて、必要以上に恐れてしまいがちです。

 でも、相手の正体がなんとなくでも把握できれば、自分が恐れていた相手は、意外にちっぽけな存在であることがわかるはずです。すると、恐怖心に縛られることなく、冷静に対処することができるようになるのです。

 これは、私の実体験からもそう断言できます。

 私は今でこそ弁護士として法律事務所を経営し、モラハラ案件を中心に多くの人の相談にのっていますが、弁護士になったのは、40歳を過ぎてから。それ以前は、さまざまな職に就き、嫌がらせを受けてきた経験があります。

 モラハラは、地位や立場に関係なく、同僚や後輩からも行なわれるのが特徴ですが、嫌がらせの対象が上役に向かうことはあまりありません。

 立場の弱い人(新入社員や異動してきた社員、派遣社員、アルバイトやパート等)に向かってくることがほとんどなのです。

 私が新卒で入った損害保険会社では、女性総合職というだけで男性社員から煙たがられ、嫌味を言われたり、嫌がらせをされました。派遣社員やアルバイトをしていた時には、正社員から仲間はずれにされるなどの嫌がらせを受けてきたのです。