2万5000件の倒産!その理由は、
経理(経営管理)が不十分だったため

 会社が儲かっていたとしても、その儲けは会計上の処理をした後、税金を納めなくてはいけません。経理がわからないということは、この「会計」と「税金」を無視することと同じです。そうならないためにも、本連載では、経営管理の道具として、経理のカンドコロをご理解いただければと思っております。

 ここに1つのデータがあります。中小企業の経営をサポートする財団法人企業共済協会の「企業倒産調査年報」のデータです。2002~2011年の10年間の倒産実態を調べてみると、「放漫経営」「既往のシワ寄せ」によるものが、約2万5000件にも及びます。

 あまり聞き慣れないフレーズかと思いますが、「放漫経営」とは、経営者が会社を運営・管理する能力がない、あるいは会社を私物化するなどを指します。そして「既往のシワ寄せ」とは、例えば、業績悪化が危機的レベルにあるにもかかわらず、会社の数値を理解していないため、施策が遅れ、倒産する、といったイメージです。

 もうおわかりいただけたかと思いますが、この2つの倒産理由は、「経理(経営管理)」がしっかりしていないために引き起こされるものです。

 もちろん、倒産理由にはモノが売れないことに起因する「販売不振」などもあります。しかしそれ以前に、自滅のような形で倒産する会社が、非常に多いことも1つの事実なのです。