書影『採用がうまくいく会社がやっていること』『採用がうまくいく会社がやっていること』(かんき出版)
福留文治 著,児玉里美 著

 さて、先ほどの「過去の失敗を、どのように今に活かしてきましたか」は、前述の通り面接の際に、ある程度予想される質問として答えを準備できます。

 一方で、「わが社の課題解決を考えてもらえませんか」は事前に答えを準備できない質問です。そのため、対応力や解決力を見るのに適しています。

 この質問のよいところは3つあります。

・課題解決能力、機転の高さを見ることができる。
・入社前から自社に参画してもらう感覚を持ってもらえる。
・自社の課題解決に新しい意見をもらうことができる(しかもタダです!)。

 お題とする課題ですが、「現在、当社は赤字が多くて」「社内で横領が発生して」など重たいものは避けましょう。それよりも応募者が「それぐらいのことあるよね」と共感できるようなものがよいです。たとえば、こういったものです。

●自ら学ぶ社員と、学ばない社員がいます。どうすれば自ら学ぶようになるでしょうか。

●女性の管理職を増やしたいと考えています。ただ現状、当社の女性従業員があまり管理職を望んでいません。何かよい解決方法はありませんか。

●専門職と言えば聞こえはよいのですが、当社では縦割りが見られます。あなただったら、どういった解決法がありますか。

 面接ではこういった課題を与え、その解決法を考えてもらいましょう。

 そうすることで、会社としてよい意見をもらうこともできます。またその方が入社した暁には、その方自身が、その問題について問題意識を持ち、会社の課題解決に協力的になってくれるはずです。