色分けによる案内表示で
混乱回避は可能なのか
これに対してSNS上では「表示されている行き先が全て埼玉」「行き先だけではどの路線に乗り入れるのか分かりにくい」「川越行きと川越市行きがあって迷う」などの指摘が相次いだ。
相鉄は2月27日のダイヤ改正に関するプレスリリースで、開業後「列車の運行方向を分かりやすくするため、駅の案内表示・列車の行き先表示における『列車種別』の表示を路線に合わせて色分け」し、JR直通列車は緑、東横線直通列車はピンク、目黒線直通列車は水色で表示するとしていた。
色分けによるJR直通列車の案内はダイヤ改正以前から行われており、相鉄沿線民にはおなじみなのかもしれない。あくまでも普段、相鉄を利用しない、一埼玉人である筆者の印象であるが、色分けの案内はやや徹底を欠いているように思う。
色分けが行われているのは改札前やホームの旅客案内装置と、電車の前面や側面のLED表示だ。一方、駅掲示やウェブサイトの時刻表は特急をオレンジなどの色で区別する別の色分けが行われている。
また新横浜線の起点となる西谷駅のホーム上乗車口案内を見ると、横浜方面10両編成がオレンジ、8両編成が青、新横浜線方面の10両編成は緑、8両編成が黄緑を使っている。さらに電車に乗って東急線までたどり着くと、今度は旅客案内装置の「行き先」が東横線直通は白、南北線直通は緑、三田線直通はオレンジという別の色分けが行われる。それぞれ1対1で対応する情報ではないにしろ、さまざまな色分けが混在している状況だ。
そもそもだが、単に色で分けるだけの案内は「カラーユニバーサルデザイン」の観点から望ましくない。色の見え方には個人差があり、特定の色の組み合わせが区別しにくい人もいるからだ。
複雑な運行形態において、利用者がまず知りたいのはどの方面に行く列車かであり、終点がどの駅かではない。案内も種別の色分けではなく、「東横線直通○○行」「目黒線直通○○行」「JR線直通○○行」と表示するのが望ましい。