近年、テロ組織や犯罪組織ではなく外国政府に拘束される米国人の数が増えている。米政府は拘束の理由について、でっち上げか政治的な動機が背景だとみている。米当局への取材や民間の分析から分かった。直近では、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)のエバン・ゲルシコビッチ記者(31)が先週、スパイ容疑でロシア当局に逮捕・起訴された。急激にエスカレートする国家による人質拘束という新たな時代を最前線で取材していたゲルシコビッチ記者は、一転してこの問題を象徴する存在になった。トランプ政権時代に大統領補佐官(国家安全保障担当)を務めたジョン・ボルトン氏は、ゲルシコビッチ氏の逮捕について、ジョー・バイデン大統領に圧力をかけるよう計算された「国家のテロ行為」だと言明。「これは狙いを定めた人質拘束だ」と述べた。