日本の将来を占う上で、私が核心的に重要だと考える分野が外交と教育だ。“外と交わる中で如何に人材を育成するか”という意味である。両者は密接につながっている。外交と教育というテーマが“個”という存在に凝縮され、語り継がれる時代は必ず来る。

 既存の学校教育や企業文化では育てられない人材が、外の世界で磨いたポテンシャルを日本に持ち帰るプロセス。それが“人材力”という日本の財産につながると、私は信じる。

 一つ忘れてはいけないことがある。

 東アジアといういま世界で最も注目される地域において、日本人のライバルに当たる中国人や韓国人が、“人材力”を育成すべく日々実践しているという現実である。

 香川選手がMUに移籍する前、日本のJリーグでもプレーした経験のある韓国のパク・チソン選手は、すでにMUで活躍していた。東洋のポテンシャルを世界中に見せつけたという意味では、パク・チソンはパイオニア的な存在だと言える。

 世界のあらゆる場所で存在感と影響力を誇示する中国人パワーは言うまでもない。同じ東アジアに生まれたライバルとして、中国や韓国の若者に対しては健全な競争心を以て、切磋琢磨していきたい。21世紀における東アジアの“奇跡”を“真実”へと進化させるべく、共に盛り上げていきたい。

中国と付き合う=グローバリゼーションを知る

 私自身、約10年間過ごした中国を離れ、米国に来てから半年が経った。米国に来た理由は大きく分けて3つある。

 一つ目に、超大国と称されるアメリカ社会の隅々をこの目で見てみたかった。二つ目に、アメリカの有識者やエリートが台頭する中国をどう認識しているのか知りたかった。そしてもう一つの核心的な動機が、米中両大国の狭間で日本に何ができるか、日本人は何をすべきかを探りたい、という渇望があった。

 “第三の改革”が叫ばれて久しい。19世紀の明治維新、20世紀の戦後改革に続く21世紀版という意味であろう。前の二つの変化が生じる過程で、アメリカの黒船とGHQという外圧の圧倒的存在感は否めない。日本が能動的に国を改革し、開放したのではない。受け身姿勢で現状に対処するなかで、成長のドライブを見出していったのだ。

 “外圧”そのものが正しいかどうかは問題ではない。歴史的に見て、日本版改革・開放の影にはいつも“それ”が付きまとっていたことが問題だ。

 21世紀版の改革・開放にも、“外圧”という存在は日本・日本人に付きまとう。“グローバリゼーションという文脈における中国の台頭”がそれに当たると私は考え、10年間取り組んできた。

 日本人にとって、「中国と付き合う=グローバリゼーションを知る」というミッションは避けられない。これまでも繰り返し強調してきたが、日本が国際社会において、対アメリカも含めてプレゼンスを高め、リーダーシップを発揮していくためには、中国という現在世界が最も注目しているアクター、そしてそこに付随するマター(出来事)やイシュー(問題)に対して影響力を施すことが最も現実的と言えるし、同じ東アジア国家でありながら、最も早く近代的な意味における西洋の仲間入りをした日本にしかできない“離れ業”と言える。