ニューヨークとロンドンが繰り広げる企業の上場誘致合戦において、あまり語られないながらも鍵となる要因がある。  米国での上場を選ぶ多くの企業は豊富な資金、質の高いアナリストや投資家の存在、相対的に高いバリュエーションへの期待などを強調する。さらに、経営トップがあまり話したがらないもう一つの要因がある。それは英国上場企業の3倍を優に超える報酬を得ることができるということだ。  調査会社エクイラーによると、米S&P500種指数を構成する企業の最高経営責任者(CEO)は2021年、基本給とボーナス、株式報酬を合わせ総報酬1450万ドル(中央値、約19億円)を手にした。