最近よく聞く「通年採用」「ジョブ型雇用」は、就活の選択肢としてアリか?これからの時代、就活生は従来の採用にこだわる必要はないのだろうか(写真はイメージです) Photo:PIXTA

近年、日本企業でもジョブ型雇用が導入されつつあるという報道をよく見る。また、新卒一括採用ではなく、通年採用を行っているという企業も増えている。これからの時代、就活生は従来の採用にこだわる必要はないのだろうか。人気企業の採用から育成までを支援するダイヤモンド・ヒューマンリソースの採用コンサルタント・福重敦士氏が、ジョブ型雇用や通年採用についての見通しを解説する。

ジョブ型雇用や通年採用は
定着に時間がかかる

 最近、新卒採用に関する報道で「通年採用」「ジョブ型雇用」というキーワードを見ることが多くなりました。一部の職種にジョブ型を導入する企業が出始め、近い将来完全にジョブ型へ移行しようとしている企業もあるようです。今回は、就活生にとって「ジョブ型雇用」「通年採用」といった選択肢はありかなしかを、考えてみたいと思います。

 経営学者や経済学者などの論考では、ジョブ型への移行を推奨するケースを多く目にします。とはいえ、こうした新しい制度が定着するには時間がかかるものです。もし、日本企業が本気でジョブ型雇用にシフトするつもりなら、本来的には人事に関わる制度全てを変えて整備しなければならないからです。それは、働き方、採用方法、社内制度、人事制度、評価制度など多岐に渡ります。

 しかし報道などで見る限りでは、採用のときだけ「“とりあえず”ジョブ型雇用」を導入している企業も見受けられます。たとえば、DX推進が企業の重要な経営課題となる中で、不足するIT人材を獲得したいという目先の目的でジョブ型を謳うようなケースです。これは、本末転倒な施策と言えます。

 このように、今の日本では「ジョブ型雇用」という言葉が独り歩きしているのが現状ではないかと感じます。また通年採用も、一部の外資系やベンチャー企業を除き、まだ一般的ではありません。「うちは通年で採用機会をつくっている」と表では言っても、その本音は「通年採用はやりたくないけれど、いい学生を採用できないから通年で採用活動をせざるを得ない」というケースもあるでしょう。こう考えると、近い将来、多くの企業が一斉に新しい採用方式へと動くことは、考えにくいと思います。