コオロギ食が炎上!SDGsゴリ押しを跳ね返す「拒否感」と向き合う正念場写真はイメージです Photo:PIXTA

ネット上で続く、コオロギ食はアリなのか、ナシなのか論争。さまざまな意見が飛び交っているが、通底するのは結局昆虫食への拒否感なのではないだろうか。2021年に実食リポートを書いていた筆者が振り返る。(フリーライター 武藤弘樹)

高校でコオロギ給食
多数が関心を持ち炎上へ

 コオロギ食が「炎上」している。きっかけは徳島の県立高校の給食である。今年2月、食物科の生徒らがコオロギエキスを使用した大学いもを作り、希望した生徒がそれを試食したのであった。

 同校では昨年11月にコオロギパウダー使用のかぼちゃコロッケを作っていたが、この時は批判の声もあったものの、おおむね「新時代のスーパーフード」という感じの捉え方をされて、割に好意的に受け止められていたのである。しかし2回目にあたる今回の大学いもは炎上した。

 しかし、本件はコオロギ給食の試みを擁護する声もあって、さまざまな意見が活発に飛び交い、議論を通して世間の問題意識や理解が深まったという点で建設的であったように思う。そして主だった意見がひと通り出尽くした今だからこそ見えてくる事実もあったので、それを含めたもろもろについて書いていきたい。