オタクには「目標意識」の高い人が多いです。目標意識の高い人は、目標にしか目を向けません。だから、目標達成を阻害するものには見向きもしない傾向にあります。ただ、目標ばかり追いかけていると疲れるため、息抜きとして、いつでも楽しめるアニメや漫画、ゲームなどにハマり、オタク化するのではないかと私は考えます。

 実際、アスリートやエリート層など目標意識の高い人には、オタクが少なくありません。箱根駅伝を3回走った稲田翔威選手は、ライバルに抜かれると監督からフィギュアを没収されるという逸話が話題になりました。また、米国テスラ・モーターズCEOでスペースX創設者のイーロン・マスクは、「アイドルマスターシンデレラガールズ」に登場するアイドル「輿水幸子」の画像をツイッターに投稿し、「アイマスPでは?」とネット上で話題になりました。2人とも、いわばオタクなのです。

 アスリートやエリート層でなくとも、オタクはある物事に対して、目標意識の強い人が多いので、目標達成を妨げるものを避ける傾向にあります。

 恋愛もその中の1つです。目標を目指してまっしぐらな人ほど、恋愛は目標達成を阻害する要因として排除しようとします。目標達成までストイックに頑張ろうというわけです。AKB48などのアイドルグループが「恋愛禁止」を課されているのと同じことを、オタクたちは無意識に自分に課してしまうのです。

 すると、何が起こるでしょうか。青春時代を目標達成に費やしてきたオタクたちは、晴れて目標を達成。さてそろそろ恋愛でもしようかと思っても、経験値がまったくないのでうまくいきません。異性と会話しようとしても何を話していいかわからず、立て続けにLINEを連投してしまったり、雑談すらろくにできなかったりする自分に気づくのです。

 そして、スマートに恋愛を楽しんでいる同世代の人たちと比べて、「自分はこれまで何をしてきたんだろう」と失望し、自らを蔑み、ますます人とのコミュニケーションを避けるという負のループに陥ってしまいます。

 でも、オタクは決して自らの生きざまを恥じたり、嘆いたりする必要はないと思います。

 あなたが、恋愛そっちのけで目標へと邁進したことは、「一生の財産」になります。今の知識、職業、収入、生活があるのは、あなたが目標に向かって頑張ってきた証なのです。仮に恋愛弱者であったとしても、「一生の財産」があれば婚活を成功させることは可能です。