書影『なぜか話しかけたくなる人、ならない人』(PHP研究所)『なぜか話しかけたくなる人、ならない人』(PHP研究所)
有川真由美 著

 なにかと批判をしたり、会社の愚痴を言ったり、人の悪口を言ったりしている人は、一瞬、「言いたいことをハッキリ言える人だ」という痛快さがあるものの、いつもそうでは気が滅入って、だんだん避けたくなってきます。周囲にネガティブな影響を与えている人は“マナー違反”であり、積極的には関わりたくないでしょう。

 かつてパワハラ上司のもとで働いていたとき、「こんな上司に当たるなんて、運がない」と被害者意識でいっぱいの私に、同僚がこんなことを言ったことがありました。

「いま私たち、相当、人間力が育ってるね。あの上司と働いたら、あとは楽勝でしょ」

 一見マイナスのことも、長い目で見たらプラスになる。しんどい職場でもいいことはある……という凜とした姿勢は、お手本にしたいと思ったほどです。

 ポジティブな精神を身につけることは一朝一夕にはできませんが、ポジティブな言葉を使うことはだれにでもできます。そんな言葉の習慣は、心のクセになっていきます。

 ゲーム感覚で、さまざまな事柄をポジティブに言い換えてみるといいでしょう。

「忙しい」⇒「充実している」、「優柔不断な人」⇒「よく考えて決める人」、「もう○○歳」⇒「まだ○○歳」、「失敗したらどうしよう」⇒「失敗しても大したことにはならない」、「ありえない!」⇒「あるかもね」というように、反対側から見てみるのです。

 人間は、なにかと不安になりやすい生き物です。だからこそ、ポジティブな言葉を使う、明るい人を求めているのでしょう。「泣いても笑っても同じ一日」なら、いい言葉を使って笑って過ごそうではありませんか。