図表2では成長・成熟・衰退市場における日本の企業をグラフにしている。
現在の成長市場として「リチウムイオン電池向け絶縁体」「NAND型フラッシュメモリー」「車載電池」などがあるが、日本企業のシェアはわずか10%前後。一方で「デジタルカメラ」など、かつて調子が良かったものの現在は需要が低い衰退市場のシェアは43%にも及ぶ。
急速成長市場(昨年対比プラス15%と定義した)では、世界に13の製品市場があり、各市場のトップ3、つまり合計39社中日本企業はわずか3社。全体の約8%しか占めていない。成長市場と位置付けられるのは28製品あり、トップ3の企業は84社。その中で日本企業は11社で全体の約9%だけである。
さらに成熟~縮小と考えられるのは22製品市場あり、トップ3は66社、その中で日本企業は7社で全体の11%だ。最後に衰退している製品市場は7あり、トップ3は21社、その半数弱の9社が日本企業である。デジカメ市場は、昨年対比43%縮小している中で、なんとトップ3を日本企業が占めている。
市場は目まぐるしいスピードで変化している。ひとたび市場が成熟すれば、やがて縮小し衰退していく。1つの製品で築いた成功は永遠に保つことはできない。縮小していく市場からは撤退し、その資源を別の成長市場に振り分ける判断が大切となる。