クリエイティブをさらに高める裏技

 さらに、クリエイティブを高める手法として、普段から実践できる裏技をお伝えします。

 それは『スタンフォード式 生き抜く力』でもご紹介している「マインドフルネス」です。

 「マインドフルネス」と「クリエイティビティ」には大きな繋がりがあります。
これは以前から注目され、関連する研究が進んできました。

 なかには、10分ほどのメディテーション(瞑想)で、新しいアイデアを生み出す能力が「22%アップする」なんていう驚きの報告もあるのです。

 「マインドフルネス」とは、自分の意識を今感じていることや考えていることに向け、そのままオープンに受け入れることです。

 マインドフルネスによって、周りの変化や自分の心の課題を既存の見方で決めつけずに、オープンな気持ちで向かい合うことで、これまで気づかなかったことや、新しい考え方の糸口を掴むきっかけになるのです。

 ただ何事もバランスです。

 マインドフルネスで、ありのままを受け入れようとする心の姿勢だけに偏りすぎるのも得策ではありません。

 いくら一つの見方で決めつけない姿勢でいられても、現在のありのままを受け入れるだけでは、これまでと違ったアイデアにたどり着けないかもしれないからです。

 ですから、自分を素直に見つめ直すマインドフルネスに加え、クリエイエィビティをアップする「心のすきま時間」なども、バランスよく取り込むことが、効果的です。

 前述のように、クリエイティビティは脳のさまざまな機能をバランスよく使うことで活躍する能力です。

 そのため、ご紹介してきた「心のすきま時間」「マインドフルネス」の、いずれか一方にだけに偏らずに、それぞれをバランス良く意識することを心がけましょう。

 具体的なマインドフルネスの実践方法は、『スタンフォード式生き抜く力』や『子どもの「考える力を伸ばす」教科書』でもご紹介しています。

 また、『スタンフォード式生き抜く力』には子育てをするときに、大切なマインドセットと具体的なトレーニング法が書かれています。私の初の著書として出し惜しみなく、書き尽くしましたのでぜひご活用ください。

【参考先】
*1 Ana Luísa Pinho, Fredrik Ullén, Miguel Castelo-Branco, Peter Fransson, Örjan de Manzano, Addressing a Paradox: Dual Strategies for Creative Performance in Introspective and Extrospective Networks, Cerebral Cortex, Volume 26, Issue 7, July 2016, Pages 3052–3063
*2 Liu, S., Erkkinen, M.G., Healey, M.L., Xu, Y., Swett, K.E., Chow, H.M. and Braun, A.R. (2015), Brain activity and connectivity during poetry composition: Toward a multidimensional model of the creative process. Hum. Brain Mapp., 36: 3351-3372.
*3 Ellamil M, Dobson C, Beeman M, Christoff K. Evaluative and generative modes of thought during the creative process. Neuroimage. 2012 Jan 16;59(2):1783-94.