「雑談が苦手」「人前で話すのが苦手」「プレゼンで緊張してしまう」――そんなアナタが参考にしたいのが、TBSの井上貴博アナウンサーの著書『伝わるチカラ』(ダイヤモンド社)だ。アナウンサーとして試行錯誤しながら実践してきた52のことを初公開!「地味で華がない」と自認する著者が、情報・報道番組の最前線で培ってきた「伝わらない」が「伝わる」に変わるテクニック。言葉の引き出し・表現のバリエーションが豊かな人と、そうでない人の違いは、いったいどこにあるのか。著者自身が日常的に行っている情報のインプット法について明かす。
※本稿は、『伝わるチカラ』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。
テレビを見ながら語彙を増やす
【前回】からの続き 日頃テレビを見ることも、言葉の引き出しを増やす機会になります。
普段、読者の皆さんは、テレビを見ながらあれこれ口に出すことがあるはずです。なかにはツイッターなどに感想を投稿する人もいることでしょう。
「うまいこと言うなあ」「あー、スベってる」
「せっかくいい感じに振ってもらっているんだから、面白いこと言わないとダメでしょ」
こんなふうに、賞賛したりダメ出しをしたりしているのではないかと想像します。
自分だったらどう言うか?
テレビを見てリアクションするのは、1つの楽しみ方ではあります。ただ、ここで提案したいのはリアクションするだけでなく、「自分だったらこういうときどうするか」を考えることです。
「あー、こんなふうに冗談っぽくキレたら面白いんだな」
「ここでもう一度同じことを言ったら笑ってもらえるかも」
こんな具合に、自分の身に置き換えて“考える習慣”をつけるのです。テレビで見聞きしたフレーズをそのまま借用してもいいですし、自分なりにアレンジするのもおすすめです。そうすると、会話の引き出しが自然と増えていきます。
実際に使えそうな言葉を貪欲に探す
私も自宅で録画した映像を見ながら、自分だったらどうするかを絶えずシミュレーションしています。
芸人さんがバラエティ番組で発した言い回し、通販番組のMCがやっていたプレゼンのフレーズ、俳優さんがドラマのなかで口にしていたセリフ……。どれも参考になります。
もちろん、本に書いてある言葉、ラジオパーソナリティのフリートーク、街中の看板に書いてあるキャッチコピー、誰かのSNSのつぶやきなど、インプットの対象は、あらゆるところに転がっています。「自分だったらどう言うか」という観点を持つと、情報の見方が変わります。【次回に続く】
※本稿は、『伝わるチカラ』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。