DX投資は大規模スーパーほど
メリットが大きい

 二つ目の条件は、共通して使える大規模投資が必要なケースです。スーパー業界が直面する課題にDXがありますが、このDX投資は共通化によるプラスが大きく見込める投資項目の一つで、かつ規模の効果が効く項目です。

 食品スーパー部門では多くのオペレーションは人力に頼る必要があり、規模が大きくなると逆に営業経費がかさむというデメリットも大きかったものです。しかしDXでの自動化が進めば進むほど、規模は利益につながります。

 イオングループで面白いと思うのは、ネットスーパーへの進出にあたりイギリスのオカドと提携している点です。オカドはアマゾンの倉庫と同じようにロボットを多く活用したやり方で、ネットスーパーのオペレーションの自動化を実現しています。

 オカドがこの先、どこまでイオングループのネットスーパー事業をけん引していくのかは、私には未知数です。しかし、経営陣はすでに成功の感触をもっているのかもしれません。

 そうだとすればリアルとネットスーパー双方の営業エリアを拡大すれば拡大するほど、将来の利益はプラスになっていくわけですから、ここにきてイオンがさらに規模を拡大する意味は出てきます。これが逆手定石の2つ目の条件です。