コンビニチェーンでの取り扱い1カ月目からお菓子ジャンルでトップの売り上げ。しかもその数カ月後には加工食品の中でもトップ。つまり、冷凍食品やレトルト食品やインスタントラーメンや缶詰などもあわせたカテゴリで、「カラムーチョ」が最も売れた商品となったのだ。

激辛ブームの火付け役「カラムーチョ」、辛いものがタブーの時代に売れたきっかけとは『ポテトチップスと日本人 人生に寄り添う国民食の誕生』
稲田豊史
定価1,045円
(朝日新聞出版)

 こうして湖池屋の年商は3年で倍増する。

 日本の食文化史において「カラムーチョ」は、1980年代激辛ブームの火付け役として、サンヨー食品のインスタントラーメン「オロチョン」、木村屋總本店の「辛口カレーパン」とともによく挙げられる。いずれも「カラムーチョ」と同じく1984年発売だ。

《80年代の激辛ブームはなぜ起こったのか? 朝日新書『ポテトチップスと日本人――人生に寄り添う国民食の誕生』(稲田豊史 著)で詳述。同書では、「のり塩」や「コンソメパンチ」など、様々なフレーバー誕生の経緯についても紹介。ポテトチップスを軸に戦後日本社会を追う中で、日本が“ポテチ大国”となった要因について紐解いていく》

AERA dot.より転載