誰しも悩みや不安は尽きない。寝る前にイヤなことを思い出して、眠れなくなるなんてことも……。そんなときの助けになるのが、『精神科医Tomyが教える 40代を後悔せず生きる言葉』(ダイヤモンド社)だ。ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた、自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉。心が落ち込んだとき、そっと優しい言葉を授けてくれる。Voicy精神科医Tomyきょうのひとことの“言葉の精神安定剤”で、気分はスッキリ、今日がラクになる!

【精神科医が教える】「いつでも真面目に取り組む」のは二流…思わぬ効果を得られる意外な方法Photo: Adobe Stock

言ったことは守らないといけない?

できないことは口にしないほうがいいというのは正論ですが、なにもかも真面目一辺倒で言行一致させようと思い詰めると息苦しくなるものです。ときには安請け合いすることがあってもいいと思うんです。

精神科の診察で、依存的な傾向が高い患者さんには、守るべきルールを決めておかないといけません。しかし、そういう患者さんは、「ルールを守れないんじゃないか」という不安感が根強いもの。

精神科医は、それを守らせようとするわけですが、やはり守れない人も多いです。そして、周囲を振り回して迷惑をかけてしまうこともあるんですね。

あえて“安請け合い”してみる

そこで、ときにはこんな対処の仕方もあるんです。「何を起こしてもいいから、困ったことがあったら、またいつでもいらっしゃい」と、あえて安請け合いするのです。

そうすることによって患者さんは安心します。そして、患者さんの不安感が緩和されて、安定した治療が続けられるようになる経験を何度もしています。

つまり、自分の身を守ろうと防衛的になると、相手がなんだか不安定になったり攻撃的になったりしやすいわけです。

「なんとかなる」の底力

そういうときに、相手にもよりますけれど、「何か起こっても、とりあえずな私は向き合いますよ」みたいなメッセージを伝えることによって不安感が拭えて、結局は丸く収まることが多いんです。

「なんとかなるだろう」と思っているふりをするだけでも、けっこう効果があります。「些細なことは、気にしなさんな。まあ、なんとかなるよ」と自分に言い聞かせる。それを相手にも伝える。

真面目にとらえすぎない

もちろん、本当は大丈夫かどうかわからないのですが、それを真面目に真正面からとらえなくてもいいんです。よくよく考えずに、ときには勢いで安請け合いしてみることがあってもいい。

なんでもかんでも安請け合いするわけにはいきませんが、たまには必要だし、重要だと思うんです。

※本稿は『精神科医Tomyが教える 40代を後悔せず生きる言葉』(ダイヤモンド社)の著者が日々お届けする“心のサプリメント”です。