米連邦準備制度理事会(FRB)が銀行システムの健全性にお墨付きを与えたにもかかわらず、4日の米株式市場では地方銀行株が売り込まれている。身売りを検討していると報じられたパックウエスト・バンコープは株価が前日の半分程度となった。同行は4日深夜、主要顧客の預金は3月末以降増加しており、ファースト・リパブリック銀行の破綻以降も通常以上の預金減少は起きていないと説明していた。市場は地銀を巡る問題が経済の他の分野に波及する可能性に身構えている。一部アナリストは、パックウエストなどの株価下落は個別の銀行ではなく地銀全体への懸念が背景にあると指摘。ウエスタン・アライアンスの株価も急落している。ジャニー・モンゴメリー・スコットのアナリスト、クリストファー・マリナック氏は、この日の銀行株急落について、前日の米利上げを受けた「かんしゃく」だと指摘。FRBを動かす一つの手段として、銀行株が業界全体を攻撃する「破壊兵器」として利用されているとの見方を示した。
米地銀、売り圧力やまず 混乱波及を懸念
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