米地銀パックウエスト・バンコープが、パニックに陥った投資家の餌食となった。銀行の一角に対する投資家の信頼が最低限のレベルしかないことは、もはや明らかだ。4日にパックウエストなど地銀が急落した発端は、同行が身売りや会社分割を含む「戦略的選択肢」を検討しているとの前日午後のブルームバーグ報道だ。報道内容が市場にとってあまりに想定外の内容というわけではない。今の状況下で、慎重に選択肢を検討しない地銀などあるだろうか? しかもパックウエストは夜間に出した声明で、すでに投資家に対しては、27億ドル(約3600億円)相当の融資債権の会計上の扱いを「売却可能証券」に再区分したことを四半期決算で通知していると指摘。何らかのディールに向けて準備を進めていることをうかがわせていた。