続いて、正しい深掘りの順番を意識して、「スキル・知識・マインド・ルール」の原因を書き出したのち、「体調・人間関係・環境・制度」の原因を書き出しました(図表14)。
これらの分析をする際には、「それはなぜか?」と深掘りすることと同時に、「他にはないか?」と隠れた原因を洗い出すことを意識しながら取り組みました。
これでステップ2が完了です。
ステップ3 課題抽出
ステップ2で考えられる原因を洗い出すことができたら、次は「課題抽出」です。ただし、業務ミスの場合には、課題を特定せずに、すべての原因を潰していきます。
ステップ4 解決策立案
いよいよ解決策立案です。
まず解決策を検討するために、ミスがあまり起きていない東海営業部の店長たちに「どのように修理・点検完了の案内を管理しているか」を聞いてみることにしました。
○名古屋駅前店の店長
「あーなるほどねー。確かに忘れてしまいそうになるよね。うちの場合は、工場からの案内メールが来たら、気がついた人が店舗に置いてある対応一覧表に手書きで記入するようにしてもらっているよ。その一覧に書いておけば、対応漏れしている案件があった場合にすぐ気づけるので」
○愛知一宮店の店長
「修理の連絡だけでなく、店舗でやるべき『TO DO』はすべて付箋に書き出すようにしています。シフト制で働いていますので、常に全員が店舗にいるわけではありませんが、気がついたときに誰かが対応できるようになっていると思います」
○岐阜駅前店の店長
「うちの店舗では、特に対策はしないなー。まぁ、うちはベテラン社員が多いし、修理・点検完了の案内は、基本的な業務だから忘れることは考えられないな」
ヒアリングの結果、名古屋駅前店や愛知一宮店では店舗ごとの工夫をしてミスを防いでいることがわかりました。岐阜駅前店では特に対策はしていないものの、ベテランの社員が多いからか現時点ではミスは発生していませんでした。
これらの話をふまえつつ、まずはステップ2で書き出したそれぞれの原因に対して、素直にアイデアを出していきます(図表15)。
例えば、「メモをするルールがなかったので」という原因に対して、「マニュアルを作成する」というアイデアが考えられます。
ただ、少しひねくれて考えると、マニュアルを用意しても、実施してくれない可能性もあります。そこで、「メモをするためのメモ帳を用意してあげる」というアイデアも出しておきました。
『会社の問題の9割は「4つの武器」で解決できる』(朝日新聞出版)高松康平 著
さらに、解決策を書き出したら、「インパクト」「コスト」「時間」という3つの基準で評価します。各項目を最大5点で評価した結果、一番高い点数を付けたアイデアは、「店舗と工場共通の修理対応確認表の作成」になりました。
今回、メガネフィットの東北営業部で案内漏れが数多く起きた原因は、各店舗で情報を共有する一覧表や付箋を活用していなかったことと言えるかもしれません。
岐阜駅前店でミスが起きていないのは、たまたまと言ってよいでしょう。ベテランだからミスをしないと考えるのは危険です。今後も店舗ごとに対応を任せてしまうと、きっとまたいつか、同じような事象が起きてしまうでしょう。各店舗での工夫は大切ですが、店舗任せにしていたのでは、ミスを限りなく100%近くまでなくすことはできません。
そこで、この問題を各店舗の行動や仕組みが原因と捉えるのではなく、全社単位で対応すべきであると考えました。つまり、工場と店舗の連携で連絡ミスの発生をなくすのです。店舗で連絡漏れが起きたとしても、工場側が確認する仕組みになっていれば、大幅に連絡が遅れることは防げます。
検討の最終段階にきましたが、ここで、勇気を持って「そもそも」と言ってみましょう。そうすることで、根本的な問題解決につながる策を思いつくかもしれません。
そもそも、なんで店舗が案内をしなければいけないのでしょうか? 工場側が店舗に修理・点検が完了したと連絡する際に、一緒にお客様に通知すればよいのではないでしょうか? さらに、そもそも、なぜお客様に連絡をしなければいけないのでしょうか?
工場側が眼鏡の修理状況を管理しているわけで、その状況を逐次、お客様も見ることができるようにすれば、今、修理・点検がどの状況になっているかをお客様が確認することもできます。すると、お客様へ連絡する必要自体がなくなります。
今回のメガネフィットのケースでいうと、すぐにそこまでのことはできないと思うかもしれません。しかし、変えられない理由は何でしょうか? システム開発が追加で必要なのですぐにできないのかもしれません。しかし常に、抜本的な改革を行う可能性を模索すべきです。現状維持ではなく、大胆な一手を最後の最後まで探っていく姿勢が新たな気づきを生み出し、大きなインパクトにつながるのです。









