1つ目は、営業部別に分けてみました。

 2つ目は店舗別です。3つ目は修理・点検の種類別。特定の修理・点検の対応に問題があることがわかるかもしれません。4つ目は、対応したスタッフの年次別です。最近入社した店舗スタッフが増えてきていることをふまえた切り口です。

 このように、問題を分解する切り口を考えたら、それぞれの実際のデータ(ミスの発生件数)を確認していきます。すると、問題が起きている場所を明らかにすることができます。

 このケースでは、次のようなデータから問題は東北営業部で起きていることがわかりました。

営業部別でのミスの発生件数
東海営業部……3件(昨年同時期3件)
首都圏営業部……1件(昨年同時期2件)
関西営業部……1件(昨年同時期1件)
東北営業部……15件(昨年はオープン前のため、データなし)

 なお、他の切り口でも問題の発生場所を分析してみましたが、特に傾向は見つけることができませんでした。

ステップ2 原因分析

 ステップ1で、案内漏れの多くは東北営業部で発生していることがわかりました。他の営業部ではあまり発生していません。

 特定された問題は、「東北営業部の店舗で、お客様への修理・点検完了の案内ができず、待たせてしまっていること」です。これがなぜ起きているのかを探っていきます。その際には「業務改善担当の視点」を思い出しながら、なぜなぜ分析を行います。

 情報がなくては分析できませんから、実際にミスが起きた店舗でヒアリングを行いました。

○店舗スタッフ
「この度は、ご足労いただき、ありがとうございます。お客様への案内漏れが発生してしまい、申し訳ありません。

 眼鏡の修理依頼を店舗で受けた際は、すぐに工場への修理依頼を社内システムで行います。商品を工場に送ったら、基本的には、修理品の到着を店舗で待ちます。修理が完了したら、工場から店舗に修理完了メールが届き、その1~2日後には商品が店舗に届きます。通常は、その商品が届いたら、すぐにお客様に連絡するのですが、接客が忙しかったのか連絡することを忘れてしまいました。申し訳ありません。

 なお、修理品の対応担当は店舗内では特に決まっていません。気がついた人が対応するようにしていますが、だいたい私がやることが多いです。これは言い訳になっちゃうのですが、最近は店舗での接客が忙しくて対応が疎かになってしまっていました。どうしても店舗での接客を優先してしまって、修理・点検完了の案内を忘れてしまったと思います」

 このヒアリング結果をもとに、なぜなぜ分析を実施。まずは「行動の原因」を出してみました。その際には、「担当したスタッフが連絡をしなかった」という点だけでなく、「担当者自身が連絡をしていないことに気がつけなかった」ことと、「他の店舗スタッフなども連絡漏れに気がつくことができなかった」ことも記載しました。