新日本酒紀行「白鴻」7代目の盛川知則さん(左)と弟で杜氏の元晴さん Photo by Morikawasyuzo

瀬戸内海の魚介と相性抜群!極軟水仕込みで切れの良い純米酒

 白い大きな鳥が大望を抱いて大空に舞い上がる、そんな気骨ある酒を目指した「白鴻」は、瀬戸内海に近い盛川酒造の定番酒。「瀬戸内の魚介に合う酒」と7代目の盛川知則さん。霊山野呂山の麓、野呂川が流れる自然豊かな里山で、1887年に創業した。知則さんは、日本文化を海外へ発信したいと学生時代に英語を習得。就職先の神戸風月堂では英語での接客を評価され、海外出店1号ハワイ店の立ち上げに抜擢された。その後、地質調査の会社に転職し、28歳のとき、父親が58歳で余命3カ月と宣告を受けた。覚悟を決めて蔵を継ぐが、製造量の9割を大手に納品する下請けで、年々注文が激減。自社ブランドの確立が急務になる。また、高齢化した杜氏の後継をどうするか悩んだとき、弟の元晴さんがパン職人を辞して蔵に入社。その後、兄は営業で飛び回り、弟は杜氏として酒質向上に励む。