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上司に必要なスキルの一つに、「評価納得を得ること」があります。節目ごとに部下に仕事と成果を振り返らせ、上司からのフィードバックに納得を得てもらい、次の成長に向かわせることです。「評価納得」は、部下との評価面談の際に醸成します。部下の意見や気持ちにじっくりと耳を傾けながら、本人の内省を促していくことが鍵となります。その際、重要になるのが、上司の傾聴力です。今回は、部下の考えを引き出す「傾聴の6つのステップ」について解説しましょう。
※本記事は前川孝雄『部下全員が活躍する上司力5つのステップ』から抜粋・再編集したものです。
「アドバイスより傾聴」を心がける
部下を次なる成長に向かわせたいと願うとき、経験豊富な上司ほど、部下にいろいろと有益な指示・命令やアドバイスをしたくなることでしょう。しかし、支援者としての上司力には、指示・命令する力は有効ではないもの、と心得ましょう。
特に、部下が自分で考える前に上司の考えを指示やアドバイスすることは、部下の育成上、良策ではありません。仕事の主体者はあくまでも部下自身であり、成長を促す意味でも部下にいかに考えさせるかが重要なのです。
そして、部下に考えさせるために必須なのが、傾聴のスキルです。しかし、
通常、傾聴というと、黙ってじっくり聴くことをイメージしがちかと思います。しかし、アドバイスしたいのをぐっと堪えて、黙って聞くのは傾聴本来の姿ではありません。大切なのは、部下の考えをしっかり理解するために意思を持って積極的に聞く、アクティブリスニングの姿勢なのです。
そのためには、上司が適宜、部下に問いかけることも必要なのです。特に部下の考えがまとまらない場合など、モヤを払ってあげるような上手な質問を投げかけることも、上司には求められるのです。
傾聴の6つのステップ
それでは、部下の考えをしっかり引き出すための「傾聴の6つのステップ」を順に解説していきます。最近では、在宅勤務などリモートワークが進む中でのオンライン面談の場面も考えられます。その点も含んで見ていきましょう。
■ステップ1 「姿勢」を整える(座り方、視線、動き)
まず、話を聴く準備と心構えができていることを、相手に示します。リアルでの対話では、椅子に姿勢を正しく保ちリラックスして座ります。椅子に浅めに腰かけた、やや前傾姿勢がよいでしょう。視線は相手の目のあたりを中心に向けますが、凝視しないように気をつけます。身振り手振りなど上半身の動きは自然に行います。自分と相手の座る位置は、正面から対峙せず、90度の角度か隣に座るのがよいでしょう。
リモートワークでの、オンライン・ミーティングの場合には、リラックスした表情や笑顔を心がけ、身振り、手振りはやや大きく、また、はっきりとした聴き取りやすい声で、ゆっくりと話すように、態勢を整えましょう。
■ステップ2 「受容」する(頷き、相槌)
共感的な印象を与えるには、相手の話に合わせた適度な頷きや相槌が効果的です。首を縦に振り、話の要所要所で「うん、うん」「そうか」などと声を発すると、相手の「受け入れてもらっている感」が増します。相手の話のリズムや内容に応じて、頷き方や相槌の速度や深さにも、変化をつけるとよいでしょう。
リアルの対話では、頷きや相槌が大げさすぎたり、頻度が多すぎると、わざとらしく見えて逆効果です。ただし、リモートの場合には、ややオーバーアクション気味にして、相手にしっかりと伝わることが大事です。
■ステップ3 「共感」する(気持ち、感情の汲み取り)
「そんなふうに思ったんだね」「それはとても嬉しかったね(辛かったね)」など、相手の気持ち・感情を汲み取るのが共感です。相手に「気持ちを分かってもらえている感」を与えるのです。
なお、共感は同調とは異なります。共感が「~と感じたんだね」と相手の気持ちや考えを理解し受け止めるのに対し、同調は「そうだね、それが一番いい選択だね」などと相手に同意することです。上司は、部下に共感はしても必ずしも同意はせず、異なる意見を持っていても構わないのです。この二つを、はっきりと区別して理解しておくことが大切です。








