東日本大震災後に
太陽光発電投資が増えた理由
上記のような株式投資と同じような事例が数年前にもありました。それは太陽光発電への投資です。
2011年の東日本大震災直後、太陽光発電を普及するために政府は再生可能エネルギーからの電力に関して「固定買取制度」を導入。市場よりも高い価格で電力会社が太陽光発電による電力を購入することになりました。当時電力価格がキロワット当たり25円前後でしたが、太陽光発電に投資した人(低圧だと2000万円くらいで投資できました)はキロワット当たり40円という高値(なんと1.5倍)で買ってもらうことができました。
2000万円投資して年間300万円くらいの売電収入が得られました。7年前後で回収できるわけです。不動産投資をしている方はわかると思いますが、かなりの好条件です。しかしこの大盤振る舞いを回収するために、政府は、再エネ賦課金という形で我々一般家庭に毎月1000円前後(ファミリー層の場合)の電力代金を上乗せしたのです。
つまり電力消費者という立場だけですと、「再エネ賦課金分、毎月損をする」わけです。一方、太陽光発電投資をすることで、逆にその恩恵にあずかれました。
当時、その理屈を理解していた投資家はこぞって太陽光投資をしたわけです。つまり電力料金を取られる立場から取る立場に変わったのです(ちなみに今は、当時ほど太陽光発電投資にうまみはありません)。
ある経営者は次のように言います。
「そもそもインフレは貨幣価値の減少でしょう。『現金が紙切れになる』とまでは言わないが、ゲームのルールは変わり、現金を持っていればOKの時代は終わったのだと思う。こうした中で、特に相対的に割安だった日本株を含めて現物を持つことは悪いことではないだろう」
アンテナの高い企業経営者の方はそのあたりの「世の中の仕組み」を理解されているので、投資をしないと損、国策ならばなおさら、と考えているわけなのです。