円安と米国金利の急上昇で運用環境が好転したことにより、変額保険と外貨建て保険に一大ブームが到来している。ただし、特有のリスクと手数料事情があることを忘れてはいけない。特集『[激変]生保・損保・代理店 保険大国の限界』(全22回)の#14では、押さえておくべき知識を解説する。(ダイヤモンド編集部 片田江康男)
新規参入相次ぎ激熱の変額
金利上昇で魅力増す外貨建て
「変額保険の有期型の市場は、レッドオーシャンだ」
ある生命保険会社の幹部は、2023年に入ってからの変額保険市場の盛り上がりを見て、そう話す。
これまで、保険期間が一定期間(有期型)の変額保険の市場は、アクサ生命保険やソニー生命保険、メットライフ生命保険など、限られた生保のみが参入する市場だった。
ところが、新型コロナウイルス感染症の影響が下火になり、市場環境の好転と金利上昇が続いている。人々の投資マインドが復活しており、変額保険に対する注目も急上昇。そこを逃すまいと新規参入が相次いでいるのだ。
実際に、23年4月に三井住友海上あいおい生命保険と三井住友海上プライマリー生命保険が協働で、さらに5月にはSOMPOひまわり生命保険が参入。今、生保市場の中で最も熱い市場だと言っても過言ではない。
外貨建て保険についても同様だ。米国をはじめ諸外国の金利が急上昇。低金利が続く中で、退職金などまとまった金額の運用先として外貨建て保険の人気が沸騰している。
ただし、変額保険と外貨建て保険には、それぞれ知っておかなければならないリスクや手数料事情がある。今、変額保険や外貨建て保険の契約を検討している人は、「こんなはずじゃなかった」と後悔しないためにも、ぜひ頭に入れた上で商品を選んでほしい。次ページで詳しく解説していこう。