応答遅れのないフットワークに感心。
全体の完成度が高く、FFの走りも好印象
新型インプレッサST-Hのプロトタイプ(4WD/FF)と従来型(4WD)をクローズドコースで乗り比べた。
パワートレーンには基本的に新旧で同じ。エンジン(145ps/188Nm)+モーター(13.6ps/65Nm)のスペックも変わっていない。とはいえエンジン自体の剛性を高めて振動の発生を抑えたほか、エンジン、ハイブリッド、トランスミッションの制御を刷新している。
FB20ユニット自体は燃焼などの改善が図られており、エンジンフィールは少なからず変わった。
乗り比べるともともと静かで振動も小さいところ、さらにスムーズに回るようになっていた。ボクサーエンジンのメリットが感じられる高い完成度だ。リニアトロニックも進化している。機構としては同じながら、シフトが滑らかになり、あとから遅れて加速がついてくる感覚が大幅に軽減されている。
新旧を乗り比べ、違いが歴然としているのはフットワークだ。新型は、操舵に対する応答遅れがなく、ステアリングを切って戻す一連の操作にリニアに追従する。ブレーキングでノーズダイブしにくく、コーナリングではロールしにくい。より意のままに操ることができる。
従来型もなかなかよくできているなと見直したものの、乗り比べると確実に違う。旧型はドライブフィールこそ軽快だが、軽く動きすぎる面があった。対して新型は2ピニオン化が効いてか、ステアリングの微舵からにアソビがなくリニアに動き、しっかりとした手応えが心地いい。