何人もの女性とやりとりを重ねましたが、なかなか会うまでには至りませんでした。しかし、34人目の相手とのやりとりの結果、食事の約束をすることができました。彼女は隣県の女子大3年生の杉元那美さん(21歳、女性)で、外見は女優の森七菜さんをちょっとふくよかにした感じの、おとなしそうな女性でした。

 最初こそ、中岡さんは年の差を心配しましたが、メッセージアプリでのとりとめのないやりとりは毎日欠かさず、2週間以上も続きました。中岡さんは仕事中でも返事が来ていないか5分おきに確認するほど、自分のことを“大成くん”と呼んでくれる那美さんとのやりとりにのめり込んでいきました。

ようやく女子大生と対面
運命の出会い

 中岡さんは何度か会おうと誘いましたが、互いの居住地が遠いということもあり、なかなかタイミングが合わなかったものの、1週間後の日曜日に2時間くらいで行けるお互いの中間点で会えることになったのです。

 約束の日までの1週間がとても長く感じられ、前日には楽しみのあまり一睡もできませんでした。そして当日、待ち合わせ場所のファミレスに、約束の時間(午後1時)の、4時間前には着いてしまいました。メッセージで交わした那美さんの写真を思い浮かべながら、入り口を見て待ち続けました。午後0時45分にメッセージがきて、スマホを見ると「大成くん!大学の用事でだいぶ遅れそうです。ごめんなさい。遅くなって待たせると申し訳ないので、またの日にしてください」という文字が。すぐさま「いつまでも待ってる」と返信しました。

 それからメッセージはなかなか既読にならず、2時間が過ぎました。電話もしてみましたが、那美さんの応答はありませんでした。さらに2時間が過ぎてメッセージが既読になりましたが、返信はありません。中岡さんは「あと2時間待って来なければ帰るね」とメッセージを打って待ち続けました。2時間30分がたったところで、中岡さんは席を立ち、会計を済ませてファミレスを出ようとしたところ、息を切らせて走り込んできた女性がいました。中岡さんは「那美さんですか?」と聞いたところ、「大成くん! ごめんなさい!」と抱きつかれたので、これは出会うべき運命だったのだなと思ったそうです。

 2人はファミレスのこれまで中岡さんが座っていた席に座り、ハンバーグプレートを注文して、お互いのことを話してすぐに打ち解けました。中岡さんの胸には、待っていてよかったという感動があふれていました。