インスタの強みとツイッターの不安定さ

 これほどまでに、利用者が一気に拡大した理由はなんだろうか。

 第一に、現在10億人以上のユーザーを抱えるというインスタグラムとの連携が大きいだろう。インスタグラムにアカウントを持っている人であれば、新たにアカウントを作るのが手間ではなく、また、それぞれの投稿を簡単にひもづけることも可能だ。

 インスタグラムのアカウントを持っていたけれどツイッターアカウントは持っていなかった人、あるいはツイッターアカウントを持っていたもののあまり稼働させていなかった人もそれなりの数がいたようで、スレッズでは「ツイッターはやっていなかったけれど……」といった初投稿も見られた。

 また、イーロン・マスクに買収されてからのツイッターの不安定さに危機感を覚え、「移住先」を求めていた人が多かったことも理由の一つだろう。代替候補としてマストドンやBlueskyなどの名が挙がっていたが、前者は一般ユーザーにはなじみのない「サーバー選び」、後者は招待制であることの壁があった。

 API制限騒動もあった。ツイッターでは7月1日頃から、1日に取得できるツイートの数が600〜1000件に制限され、それを超えると閲覧できなくなる仕様変更が行われた。この変更は数日で解除されたものの反発が大きく、メタ社はこの「ツイッター離れ」を見て、スレッズの開始を早めたのではという臆測を呼んだほどだった。