身内向けの企画書は
「情報バンク」として活用

 プレゼンのスライドは、人に見せるために作るのが普通だ。社外の人に見せるケースも多いだろう。だが企画書の場合、自分やチーム内だけで見るために作成することも少なくない。いわば身内向けである。

企画書をいつでもどこでも<br />「情報バンク」として使う便利ワザ戸田 覚(とだ・さとる)
1963年東京生まれ。ビジネス書作家、コンサルタント。株式会社アバンギャルド、有限会社戸田覚事務所代表取締役。ハイテク、パソコン、成功する営業のコツ、新商品開発、新事業開発といったテーマを中心に、執筆、出版プロデュース、講演、コンサルティングに携わる。ビジネス誌、パソコン誌、情報関連雑誌をはじめとして多数の連載を抱える。著書に『あのヒット商品のナマ企画書が見たい!』『プレゼンの極意を盗め!』(以上、ダイヤモンド社)、『すごい人のすごい企画書』(PHP研究所)、『仕事で使える!クラウド超入門』(青春出版社)、『LinkedIn人脈活用術』(東洋経済新報社)など多数がある。
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 ならば「情報バンク」として、開発や調査の過程などの情報をそこに集約していくのも良い考えだ。企画書さえ見れば、その企画に関するすべての情報が把握できることになり、ナイスな使い方の一例と言えるだろう。

 問題は、書類に鉛筆書きするのではハードルが高いということだ。たとえば筆者の場合、残念ながら文字が上手ではないうえに、小さな字をたくさん書くのは面倒である。常にキーボードを叩いているからそちらのほうが早い。そういう人は多いだろう。

 また、打ち合わせなどで出かける機会が多いと外出先で情報を得ることも増える。だが、メモ書きのためにあらゆる企画書を持参するのは不可能に近い。

 そこで、この「情報バンク」方式をデジタルに応用してみたい。デジタルならば、どんなに追記しても文字数の制限はない。さらに長期にわたって書き込みを続けても紙がヨレヨレになるようなこともない。

 普通に考えると、ワープロなどの注釈機能を使うのが便利そうだ。本文と追記の違いがひと目でわかるのがうれしい。とはいえ、これだと利用環境が限られてちょっと困る。対応するパソコンがなければ使えないからだ。

 そこでオススメしたいのが「Evernote」を使う便利な追記テクニックだ。この方法なら、企画書そのものに情報を記載する必要はない。顧客に渡す可能性のある企画書や、プレゼンで見せるスライドにも使えるだろう。